| ささきあきこ 市川武史展／ギャラリー21＋葉 ANNEX 展覧会終了間際にかけこんだ画廊 は、ひどくストレスフルな空間であ った．ちょうど人の身長すれすれの 高さに透明の天幕がはられ、何か液 体が播かれている．すえたような匂 い．牛乳だって………牛乳は、重力 に従い、好きなように広がり、好き なようにたまって、腐るにまかされ ている．膝のあたりに著しい重圧． 立っているのがつらい． ある日空が落ちてきてバ今までの世 界は虚構でした．あなたの出番はし まいです’ということになったら？ アトラスという巨人が、天空を支え ている、と考えた人々もいた．しか し、あくまでも個にとっては、天は 共有できるものではなくて、息絶え た日が世界の幕切れなのである．つ まり、あなたが両足で踏んじばって いるからこそ、天はある．だからや せてもかれても、なんとか立ってな いとね．幸い、私たちは天を共有す ることはできなくても、空の重圧を 感覚的に分かち合うことならできる ……かもしれないし． |
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