・形態は、内的、外的要因双方の、圧力のせめぎ合いによって決定される。
・360度フォルムが連続して成立する彫刻は、本来浮かばなくてはならなかった。
・透明である事は、視覚の能動性をより促進させる。
・浮遊体は、遠隔像、近接像どちらにも落ち着かないため、視覚のみに還元され得ない。
・全ての事柄を定言命法化しない事。制作をルーティンワークにしない事。素材を思考の
支配下に置かない事。
・作品との対峙が、処理し切れない情報として観者に残る事は、現実的機能化へと繋がる。
・空間は、作品設置の場所のみならず、作品それ自体にも存在する。空間は作品の
内部でも浸透し合う。それらは作品が現前した後、事後的に感知される。
・作品は場所と共存し、同時に無場所性を開示する。
・三次元のものが、現実に在るという圧倒的な事実を、現実として越える事。
・透明な彫刻は、表面で捉えられると信じられて来た事を、白日の下に晒け出す。裏側を
含む多元的な表面は、表面というカテゴリーからも抜け出す。
・彫刻概念は、拡張して行く運動性を、その発生当初から内包している。それは自明の事と
して信奉しない。
・輪から抜け出す為の慎重な−歩を踏み出す事で、輪をも救い出す。
・自己批判の袋小路に陥った状況下で、尚も充満している立体生成の可能性を逃さない事。
根拠の不在を受け入れて批判的にコンテクストを背負い込みながら、現実化して行く事。
・象徴化作用を持たない作品。それは記号ではなく、引き裂かれた徴として在る。
・観者が外部としていられる唯一の方法として、作品を経験しない事のみを残す。
・生成変化の可能性を内に持つ形態は、単に還元化された形態へとは向わない。
・思考を立体化し、且つ、作品にとって重要な諸要素を各々自律させる。
・一義的な意味内容に回収される可能性を孕む全ての事柄から、意識的に逃げ出す事。
参照:ウィトゲンシュタイン、ウンベルト・エーコ、大野左紀子、岡崎乾二郎、カミュ、カント、
ジミ・ヘンドリックス、定朝、ロバート・スミッソン、聖徳太子、シル・ドゥルーズ、戸張孤雁、
ユルゲン・テラー、鞍首止利、西田幾多郎、ロラン・バルト、アドルフ・フォン・ヒルデブラント、
ミシェル・フーコー、マイケル・フリード、ベック、ヴァルター・ベンヤミン、ヨーゼフ・ボイス、
ポ リュクレイトス、橋本平ハ、吉田暁子、メダルド・ロッソ、ラーマーヤナ、キェルケゴール
市川武史
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